京都に来て3回目の春がきた。でも、最初の頃がどんなだったかは思い出せない。


ふと気がつくと、わたしはとても記憶が薄い人間になっていた。

何度も同じ話を繰り返してしまうし、記憶が定着しない。自分が以前言った言葉を忘れてしまう。なんて責任感がないんだろう。感情の持続にはエネルギーが不可欠であることを思い知る。


たのしかったこと、つらかったこと、かなしかったこと、しあわせだったこと。感情が動いたこと。

どれも大事にとっておいて何度も確かめたいのに忘れてしまって、まるで初めて出会ったかのように再会する。一度でも、確かに感じたはずなのに。それはポジティブである一方で、とてもさみしいことだ。


わたしは何を忘れているんだろう。